お客様とはワサビ平小屋で合流。
翌日は朝からどんより曇り空。歩き始めて早々に小雨がパラついてきたので仕方なくカッパを着る。昼頃からは本気モードの降りになり、夜半は風雨が激しかった。
黒部五郎小屋は混雑。でも自分が常駐隊やってた時に冷池山荘でバイトしていたMちゃんと久しぶりに遭遇。酒が弾んで楽しかった。
翌朝には雨は上がり、空も次第に明るくなってきた。
風は冷たく、「あっ、秋が来たな。」と思わせる。山の上では今年の夏は終わった。というか、梅雨から秋になったって感じか。
お客さん達のもっぱらの話題は、今年の夏はひどかったということと、トムラウシである。
黒部五郎岳から太郎平にかけてのこのたおやかな稜線は、気持ちが和み、ゆったりとした気分になる。昼寝したかったが、仕事中なのでそんなことしたら怒られてしまう。
翌日もいい天気。薬師岳を往復して折立に下山する。
秋の気配。
「梅雨明け10日」的な誠に良い天気であった。
そのせいか人の往来が激しく、鎖場では順番待ち。いろんな人がいたが、このコースでは無事故だったようだ。
お客様の足取りも大変よろしく、奥穂の山頂到着が今までで一番早かった。
穂高岳山荘も満員に近い状態。幸い我々は個室が取れたので良かったが、夜は廊下で寝ている人がいっぱいいた。
この山荘に対する印象が少し変わった。いや、だいぶ変わった。例のサイトでいろいろ書かれたからだろうか。支配人が変わったからだろうか。
そば焼酎「雲海」
西穂山荘より
今回は大天井~貧乏沢~天上沢のアプローチルートだったが、天候が悪くて大天井ヒュッテから引き返した。また悪天候につかまってしまった。
今回のお客様は二人ともトライアスロンの選手。体脂肪率10%前後の素晴らしい肉体で、当然体力的には全く問題なく、普段山を歩く時もかなり速いスピードだということで、こっちがあおられそうだったので必死に歩いた。久しぶりに速く歩いた。ガイドの仕事を始めてからはほとんど爺婆相手なのでゆっくり歩くクセがついてしまい、「もう速く歩けないのでは?」と思っていたが、超汗だくになりながらも意外と気持ち良く歩けた。特に下りでは。
若かりし頃は地図のコースタイムよりどれだけ速く歩けるかということを常に意識し、カモシカ山行などもよくやっていたものだが、最近は全くそういう気が失せてしまっていた。しかし、今回久しぶりにコースタイムより速く歩き、心拍数もいつもより多い状態だったのだが、これが以外と気持ちいい。なんだかまたカモシカ山行でもやってみようかな、なんていう気も起きてきた。山岳耐久レースとか出てみようかなあ。