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2010年8月30日 (月)

追悼 磯貝猛さん

昨日の朝、剣岳登頂後下山している最中にそうたい松本(松本警察署)”からの無線を傍受した。時々断続するものの「ずいぶん遠い距離なのによく入るなあ」と感心しながら聞いていたら、どうも北穂で事故が発生したらしい。しかも2件立て続けに発生したようで、どっちを先にレスキューするかを現場の隊員(おそらく北穂小屋の方)に確認しているのが聞こえた。1件は「50mほど滑落・・・・」と断片的に聞こえたのだが、まさかそれが磯貝さんだったとは・・・

磯貝さんと初めてお会いしたのは丹沢・塔ノ岳の山頂にある尊仏山荘で。自分は山中湖から大山までの丹沢全山縦走の最中の宿泊で、磯貝さんは山と渓谷社から出版するガイドブックの取材のために何日も泊り込んでいた。

玄関を入ってすぐ左側の談話室みたいなところで酒を飲んでいたら磯貝さんの方から話しかけてきた。

「どこから歩いてきたの?」

「山中湖からです。」

「ほー、そういう歩き方するのは珍しいなあ。どこの人?」

「白馬です。」

「えっ、白馬か!俺は有明だよ。」

「ほんとですか。近いじゃないですか。」

とそんなやりとりがあったのを懐かしく思い出す。

磯貝さんはバックカントリーのガイドもやっていたので春には天狗原あたりでよく行き会い、山の情報などを交換した。「一緒にB.Cのガイドやろうよ。」と持ちかけられたこともあった。

最近ではauのサイトの仕事を一緒にやるようになり、打合せなどでお互いの家を訪問したりした。自分のパソコンに入っている写真編集ソフト”Adobe Photoshop elements”というソフトは磯貝さんがインストールしてくれたものだ。

その飾らない人間性と人懐っこさから、お客さんからいつも「磯ちゃん」と親しげに呼ばれていてファンが多かった。

そんな磯貝さんはあっけなく逝ってしまった。

北穂の、しかも一般道で。

しかしプロであろうと所詮は人間。ケアレスミスは誰でも起こしうる。実は自分も昨日、剣からの下りで浮石に乗ってバランスを崩した。幸い咄嗟のリカバリーで転ぶことなく、お客さんからは「私たちだったらそのまま転落していたわね。」と拍手をいただいたが、自分としてはかなり恥ずかしかった。以前、北鎌でも薄く凍った岩の上に足を乗せてツルっと滑って千丈沢側に一回転したことがあったが、その時も咄嗟に枝をつかんで滑落を防いだ。


明日は我が身。磯貝さんが「お前も気をつけろよ!」と言っているようだ。

 

ご冥福をお祈りします。

2010年8月29日 (日)

2010/08/28~29 剣岳ガイド

20100829013 週末だったのと、映画の影響だろうか、剣は大いに賑わっていた。
写真のようにタテバイは行列。我々は渋滞を予測して3時半に出発したので楽勝で頂上に立てた。


20100829024下界ではスーパー猛暑が続いているが、上空は秋の気配。

2010年8月28日 (土)

2010/08/25~27 北鎌尾根ガイド

20100826011初日、槍沢の大曲りから水俣乗越に向って登ってる最中、我々の頭上を県の防災ヘリが飛んでいった。「あれ?なんかあったかな?」と無線のスイッチを入れたら北鎌でレスキューとのこと。気が滅入る。

北鎌沢出合でテントを張って夕食を食べ始めたら雷雨が始まり、一時かなり激しく降ったので「こりゃ沢が増水して北海道での理科大パーティみたく流されるかもな。」と気が滅入る。幸い短時間で収まったのでほとんど増水しなかった。

翌日2時に起床。夜中なのに生暖かく湿った空気。その高い湿度のせいかブヨがえらい。独標を越えるまでずっと頭の廻りを衛星のように飛び回り、ただでさえ蒸し暑いのに鬱陶しくて気が滅入る。

独標を越え、次々に現れる岩峰を越えたり巻いたりしながら北鎌平に向ってる最中、また防災ヘリが飛んできて今度は東鎌の上空でホバリングしてるので「あれ?またなんかあったかいな?」と無線のスイッチを入れたら案の定東鎌でツアーの団体のお客さんが落ちたとのこと。気が滅入る。

こちらのお客様は高齢にもかかわらず日頃からトレーニングしていたので順調に歩くことができた。恐れていた雷雨にもつかまらず無事に槍ケ岳に登頂。

2010年8月24日 (火)

2010/08/21~23 甲斐駒・仙丈ガイド

20100822016山の上でも相変わらず暑い。
でも吹く風には秋の気配が漂い始めてきた。

2010年8月18日 (水)

2010/08/15~17 涸沢~奥穂ガイド

20100817006一日目 ガス
二日目 ガスガス
三日目 快晴
 "下山の日に晴れる" のはよくあることだが、やっぱり皮肉である。

20100817016 三日目朝4時半。朝食が5時からだと言ってたので「あと15分寝よう。」と思ったのだが小便が臨界点に達しようとしてたので仕方なく起き出す。ふと周りを見たら誰もいない。「あれ?もうメシか?俺だけ出遅れた?あーあ、ついにお客様にも見放されたかぁ。」と寂しさを胸に外に出たら、テラスには人だかり。昨日の天気予報と違って空は快晴、山肌が赤く焼け始めていた。慌てて自分もカメラを取りに行く。

20100817036「全く皮肉だねえ。もう一日早くずれてくれたら良かったのに。」と何回お客さんと言ったことか。
時間と共に、標高が下がると共に気温が上がってくる。下界ではスーパー猛暑が予想される激しい日射。そして上高地では激しい人通り。「あれ?お盆って終わったんじゃないの?」
てっきり皆仕事が始まって上高地も静かなんだろうなあと思ってたらとんでもなかった。

2010年8月10日 (火)

2010/08/08~09 爺ケ岳~鹿島槍ケ岳ガイド

20100809006 山の天候がちょっと不安定になってきた。
2日間とも朝方は霧雨。日中は晴れるのだが雲量が多い。そして午後はまた小雨が降ったりする。大きな崩れはないのだがいまいちすっきりしない。
そして台風が発生して接近しつつある。この後ちょっと大変なガイド山行があるので影響がなければいいが。

2010年8月 7日 (土)

2010/08/04~07 表銀座~槍ケ岳ガイド

20100806029"暑中見舞い申し上げられたい"

ぐらい連日山の上でも暑い。カッパを一度も着ることがなかったのは良かったのだが。