初日は上高地から槍沢ロッジまで。「林道歩きだけど急ぎ足にならないように気をつけましょう。ゆっくり行きましょうね。」と自分で言っときながら「ガイドさん、ちょっと速い。」と言われてしまった。いかんいかん。
2日目は槍ケ岳頂上経由で南岳小屋まで。
天候が思わしくなく、槍沢の途中からポツポツ降り出す。グリーンバンドから上はガス。
槍ケ岳頂上はお客様全員が既に行ったことがあるのでカットしてもよかったのだが、添乗員が「登頂証明写真を撮らなければならない。」ということで空身でそそくさと往復。頂上には誰もいなかった。
お客様の足並みが揃っていたので順調に南岳小屋に到着。
3日目。朝起きると雨交じりの濃いガスが立ち込め、飛騨側から強い風が吹き付けている。この状態ではとても大キレットは無理なので出発を見合わせる。8時近くになってもあまり状況が変わらず、「槍沢ロッジに下るか槍平に下るかどっちにしようか。」と敗退を考えていた。お客様もほとんどあきらめモードで、「とっとと下山して宴会やろう。」などと言っていた。しかし8時過ぎ、外を確認しに行ったらガスがだいぶ薄くなり、岩も乾き始めていたので満を持して「前進」を宣言。慌てて準備して大キレットに突入。天候はどんどん回復していき、風も全然たいしたことない。待った甲斐があった。
行き交う登山者はほとんどなく、気を使う"すれ違い"がないので快適。順調に北穂小屋に到着。そして後半の北穂~涸沢岳の稜線も問題なく通過。無事穂高岳山荘に到着。お客さんはまさか行けると思ってなかったのでハイテンションになっていた。
4日目。朝暗いうちに出発。よく晴れていて御来光前後の時間帯は素晴らしい景色が楽しめた。
奥穂頂上から吊尾根~前穂頂上往復~重太郎新道を下って岳沢小屋へ。予報でも言ってたが、フェーン現象のため気温が上がって暑い。連休初日でかなりの上山者とすれ違ったが、皆暑くてヘロヘロになってた。
岳沢小屋で昼食の後、上高地に下山。
今回のハイライトである3日目の大キレットの朝は絶望的だったが、振り返ると全般的にまずまずの天候に恵まれ、予定通りの行動ができて良かった。
まずは静岡県井川までの片道300kmを6時間かけて移動。やはり遠い。
井川の「ふるさと」という民宿に単独で前泊。宿のご主人が猟師をやっているので鹿の刺身や鹿の舌、熊鍋、ヤマメの塩焼きなど山の幸がいっぱい出た。
登山初日、畑薙第一ダム下の駐車場でお客様と合流。バスで聖沢登山口へ。登山開始早々雨が降ってくる。樹林帯の中だし暑いのでカッパは着ないで傘で対応。やはり傘の方が全然快適。ザックも濡れないし。降ったり止んだり日が射したりと目まぐるしい天気の中、14時半に聖平小屋に到着。
2日目。夜中は大雨と雷がひどかった。何回か地響きするような雷が鳴ってた。朝起きても雨はひどく、出発を見合わせる。このまま停滞して翌日聖岳を狙うか、それとも様子を見て茶臼まで移動するか悩んでいたけど、テレビのウェザーニュースの雨雲レーダーだともうじき雨雲が抜けそうだし、外も小雨になってきたので聖岳ピストンを決行。予想は的中し、次第に雨は止み、頂上に向う急登のところで雲が切れて青空が出てくる。こういう展開だとお客さんも感激。無事に聖岳に登頂。午後は上河内岳を越えて茶臼小屋まで移動。
3日目。朝3時に起床。外に出たら満点の星空。4時半頃、はるか遠くの光岳に向けて出発。長い1日だったけど久しぶりにいい天気だったので気持ちよく歩けた。お客様の足並みも揃っていたので予定より早く光岳に登頂。帰りもきつかったけど15時半頃には茶臼小屋に戻れた。