2009/05/02~03 金山沢B.Cガイド
GW恒例の金山沢。初日はハクノリまで登って自然園に滑り込む足慣らしコース。初心者にとっては足慣らしでは済まず、本番そのものになってしまう。
15時前には栂池ヒュッテに戻り、外のテラスで飲酒。この瞬間のためにハクノリまで登ったと言っても過言ではない。暑くて汗かいたのでアルコールの吸い込みもよろしい。自分も含め、ちょっと全体的に飲み過ぎ警報発令。夕食時にほとんど食べられず早々に布団直行の者1名、翌朝二日酔いで便器を抱えそうになる者1名、体が重くてテンション上がらない者1名が出た。
この日は時間とともに雲量が増してきたが雨が降る気配はない。そして風がないと暑い。
先日の吹雪の影響か、雪面は真っ白な雪と汚れた雪とのコントラストが激しい。つまり吹き溜まりが形成されていた。船越ノ頭直下を登り始めた時、右側の沢を滑ったスキーヤーがサイズ2の面発生雪崩を引き起こした。規模、スピード共に小さかったのでスキーヤーは逃げて巻き込まれることはなかったが、嫌な感じがした。
船越ノ頭から稜線を縦走して小蓮華岳手前の鞍部からドロップ。先ほど雪崩を目撃してるので自分が先行して斜面の凸部まで行って様子を見る。スキーカットしてみる。「まあこれなら大丈夫だろう。」と確信してお客さんを呼んでリグループさせる。そして凸部の下の、いわゆるノール地形に進入。数ターンして停止。リグループすべくお客さんが滑ってくるのを見上げていたら突然「ブブッ、ザーっ」という変な音。「なんだ?今の音なに?」と下を見たら自分のほんの2~3m下の斜面が見事に破断して雪面が下に滑り落ちていくではないか!「やっべぇ、やっちまった。」と慌てて左の斜度の緩い方に向って避難。上にいたお客さんにも大声でこっち側に来るよう誘導する。人数確認をしたら1名いない。よく見たら破断面より下の、雪崩れた斜面の中でウロウロしてるではないか。「巻き込まれたのか?いや違う、なにやってんだ?」と見に行ったらどうやら転んでそのまま破断面を通過して転がり落ちてスキーが外れたらしい。外れたスキーを探していた。
幸い事なきを得たが、この雪崩、破断面の暑さは20cmぐらい、幅は100m弱、デブリ末端は金山沢に入ってしばらくのところまで達していた。
懸案だった金山沢の下部は案の定川が出ていたが、なんとかスノーブリッジを渡って帰ることができた。
今回は冷や冷やもんのツアーであった。それだけに充実感もひとしお。