このコースは2003年に一度成功しているのだが、その後は雷に遭ったり吹雪に遭ったりと天に見放されてなかなか踏破できず、今回は5年ぶりに成功した。しかしいろいろあった。このコース、一筋縄ではいかない。
①2003年の時、家にザックを丸ごと忘れて猿倉で敗退したKさん、今回は車のルーフボックスの鍵を忘れたため中の板とストックが取り出せず危うくまた猿倉で敗退しそうになる。しかし針金とドライバーでなんとか鍵は開けられた。
②Y.Sさんのシールの糊が死亡。両面テープやガムテープで応急処置する。
③Yさん、過酷な大雪渓の登りにやっつけられバテ気味になる。
④Y.Sさん、2日目高山病のため調子が悪く、途中でゲロ吐いたり足が攣ったりする。
⑤T.Sさん、白馬鑓から滑り出す際片方のスキーを流し、そのまま黒部川まで行ってしまうのかと思ったが運良く途中で雪面に突き刺さり、一人淋しくツボ足で下山するのを免れる。
その他にも細かい出来事がいろいろあったが、終わってみればそれらも楽しい思い出に変わりつつある。 しかしなかなか厳しいコースであるのは間違いない。それだけに充実感もひとしおだ。
毎年恒例のゴールデンウィーク立山ツアー。今年はやけに寒く、天気もあまりパッとしなかった。こんなに寒いのは初めてだ。先週の木曜日は山の上でも雨が降り、その後冷え込んだため斜面はどこもカチカチ。いつになく過酷な斜面状況で、特に雷鳥坂のシール登行は緊張した。2日目、3日目共風が強くて寒いもんだからいつものようにのんびりと景気を楽しみながらというわけに行かず、休憩時間も少な目で、寒さから逃れるようになんだか慌しく行動したためいつもよりとても早い時間で経過した。今年の連休前半は飛石で休日の組合せがあまり良くなかったためか、ガスってて視界が悪かったためか、思ったよりお客さんの数が少なく感じた。寒い陽気と相まってなんとなくうら寂しい、立山らしからぬ雰囲気であった。
今度の週末(4/19~20)に予定していた ”乗鞍高原温泉と位ヶ原のんびりスキー” は急遽 ”蓮華温泉~木地屋” にコース変更しました。別にたいした理由はないですが聞かないで下さい。多分いらっしゃらないかと思いますが、万が一乗鞍に期待していた方がいたらすいませんです。間際になってからのコース変更をお許し下さい。というわけで”蓮華温泉~木地屋”大募集中!
栂池自然園から1時間ほど登っただけでもう天狗原。1万円近くもお金出してヘリに乗って上がる気が知れません。そこから振子沢もしくは乗鞍沢をサーっと滑ったらもう蓮華温泉。そこは天国。なんと言っても温泉が最高。内湯ももちろんですが、10分ほど上にある「黄金の湯」は野趣溢れる雲上の露天風呂。缶ビールを飲みながら暮れなずむ雪倉、朝日を眺めていると幸せを感じるはずです。個人的にはない方がいいと思ってますが女性は水着があった方がいいかもしれません。温泉の後は二日酔いに注意しながら酒に浸りましょう。そして寝る前にもう一度温泉に入って歯を磨いて布団に入ったらもう朝。爽やかな気分で(多分)のんびりと朝御飯を食べて出発。途中でちょっと登りがあるだけで全体的に林の中をちんたら滑っていくともう木地屋に到着・終了。以上のような快適素敵なこのクラシカルツアーコースにあなたも行ってみませんか。
毎年恒例の岩岳スキースクール山岳スキーツアーのガイドで蓮華温泉に行ってきた。2日目は雪倉岳ではなく朝日岳に登った。雪倉岳に負けず劣らず距離が長くてくたびれたが、天候もまあまあで全員が登頂できた。
その2日目の朝、ガイドとして一緒に行ったスクールのメンバーのK氏が起きて開口一番「ケンタさん、やばいっすよ。夕べ田原さん(蓮華温泉ロッジのご主人)から聞いたんだけど、兵馬ノ平に鹿の死骸があって、そのそばにでっかい熊が住みついてるんだってさ。」と起きて早々興奮気味に言うので、「大丈夫だよ。熊なんか向こうから逃げるから。」と言ったら「いやいや、そいつは人間を見ても全然逃げないらしいよ。」とのこと。さして気にもせず蓮華温泉をスタートしていざ兵馬ノ平に滑り込むと、なんと大きな熊の足跡があるではないか。しかも新鮮。間違いなく今朝歩いたばかりのもの。これにはビビった。ガスってて周囲がよく見えないだけに余計だ。こっちは大勢いたのでまだ良かったが単独だったら怖いだろうなあ。これを見てお客さん達は「この足の大きさからすると体長2mはある大熊だ。」「冬眠から覚めたばかりで腹空かしてるから危ないぞ。」「人食い熊だ。」「そうだグリズリーだ。」「ヒグマだ。」「早く逃げろ。」とてんで勝手に想像を膨らませてべちゃくちゃ喋っていた。これだけ喋ってれば熊も近寄ってこないだろうに。
今日は風もなく穏やかで、まことに天気が良かった。八方尾根スキー場はハイシーズン並かそれ以上の賑わいで、八方池山荘からハイクアップする人もたくさんいた。我々が滑った押出沢も同様で、たまたまどっかの大人数ツアーグループと滑るタイミングが一緒になってしまってなんだか鬱陶しかった。
やはりここも残雪が多く、下部のデブリもほとんどなくてとても滑りやすかった。ただ雪質はやはり重くて大変だったが。懸念していた南股の渡渉もたいしたことなく、ブーツのまま渡れた。
今回B.C初体験のお客さんがいたのだが、やはり全てにおいて大変そうだった。ハイクアップにスノーシューを履いてもらったのだが歩き方がわからなかったり、ザックの中の水筒の蓋が外れて全部漏れちゃったり、そのためにゴーグルが濡れて曇ってしまったり、スキーを装着したザックが重くてフラフラしたり、いざ滑り出す時も雰囲気に呑まれてビビってしまったり。今回のコースは日帰りコースの中でも体力的にはかなり楽な方なのだが、初体験のお客様にとってはいっぱいいっぱいだったようだ。でもこうして経験を積みながらいろいろ学んでステップアップするしかない。今後も続けて頑張ってほしいと思う。