2008年4月 5日 (土)

2008/04/05 栂池~山ノ神B.Cガイド

20080405_60毎年4月になると天気が良い日に強風が吹く。そのためゴンドラが運休してしまうことがよくある。 夕べもけっこう強い風が吹いてたのでどうなるかと思ったが、栂池のゴンドラ、ロープウェイは動いてくれた。でも見上げる稜線はものすごい雪煙。

予想通り天狗原~乗鞍岳の斜面はすごい人。4月に入り、天気の良い週末はもはやゲレンデになってしまう。でも山ノ神コースに入ると全然人はいなかった。上部は強風のおかげで雪が締まり、スキーもよく走ってくれたのでとても楽に通過できた。下半部は重い雪だったがまずまずのコンディション。そしていつもの年より残雪量が多いのでブッシュはないし、最後の堰堤も雪がつながっていたのですんなりと通過でき、極めて順調に滑り下りることができた。なかなか快適なツアーだった。

2008年3月10日 (月)

遠見尾根~村尾根ガイド

20080310_133岩岳S.Sのバックカントリーガイドツアーで村尾根に行ってきたのだが、今回は完全に自分の判断ミスであったと反省している。何事もなく下山できたから良かったが、間一髪だったと言ってよい。何やってんだ俺!って感じ。一昨日、八幡平で雪崩死亡事故が起きたが、自分も危うく新聞に載るところだった。

今朝起きたら雪が降ってたのでびっくり。しかもボトボトの湿った雪。いっきに気分が重くなる。「どうしよう。予定通り村尾根に行こうか、それともコース変更しようか。こんな雨っぽい天気だから中止した方がいいかなあ。」と集合場所に行くまで悩む。お客様3名のうち2名は前回も条件が悪くて村尾根に行けなかったので行きたそうな様子。そこでまず自分の判断がブレた。自分の心の中では中止にしようと決めていたのだが、「とりあえず上がってみましょう。そこでピット掘ったりして判断します。それほど積もってないので大丈夫でしょう。」と言ってしまっていた。

ゲレンデトップからシールで登ってドロップポイントの一ノ背髪直下に着く。雪は止み始め視界も良くなってきた。ピットを掘ってみたが問題なさそう。滑り出す。ところが左手の尾根に入ると昨日までの雪と今朝降った雪が全然なじんでおらず、強くエッジングすると表面の雪が流れる。嫌な感じ。まだそれほど滑ってなかったのでそこで勇気を持って引き返せば良かった。ここが痛恨の2回目の判断ミス。

その後再びガスが濃くなり雨模様の天気になる。複雑な地形だがなんとか正規のルートで平川に下りた。いよいよここからが危険地帯。なんとなく追い詰められたような精神状態。平川は川が出ていたのでスキーを脱いで渡渉する。対岸に渡り林道に出るところで休憩していたら我々より上流の左岸側斜面でけっこう大きな雪崩が発生。かなりヤバい感じ。休憩もそこそこに脱出を図る。常に左側の斜面を注意しながらできるだけスピーディーに移動する。この林道はいつも大なり小なりのデブリがあるのだが、案の定でき立てホヤホヤの新鮮なデブリがいくつもある。そしてついに発生したばかりの大規模なデブリに出くわす。いったいいつ発生したのだろうか。10分前なのか1時間前なのか、3時間前なのか。いずれにしてももう少し早い時間に通過していたら巻き込まれたかもしれない。ここを通過しなければ帰れない。スキーを脱いで焦って通過しようとするのだが、1m四方の大きな雪の塊がゴロゴロあってとても歩きにくい。ここを突破し、崩沢を通過し終えた時は正直ホッとした。

村尾根は一昨年の4月に雪崩事故(2名死亡、3名負傷)が発生している。自分も何回か行っているが、平川に出てからがいつも嫌だ。間違いなく危ないオーラが出ていて陰惨な雰囲気がある。このコースはよっぽど良い条件が揃ってないと行ってはいけない。前回は気温急上昇の予報だったため中止して「的確な判断だった。」と自負していたのに、今回はなぜ踏みとどまれなかったのだろう。こういう時はお客様の感情に左右されず、心を鬼にして判断しなければならないと肝に銘じた。

2008年3月 9日 (日)

2008/03/08~09 奥秩父ガイド

20080309_19 今回はバックカントリーではなく雪山登山のガイド。土曜日は足慣らしで茅ケ岳に登ったのだが、雪はほとんどなく、天気が良くて暖かかったので霜と雪が融けてグチャグチャ。下りはとても滑りやすく、ある意味困難だった。

日曜日は瑞牆山荘から金峰山を往復した。こちらはさすがに標高が高いので雪はあったが、昨日に引き続き気温が高めで風も弱かったので冬山の雰囲気があまりなくて物足りなかった。

ようやっと春が来た感じ。特に今年の冬は寒かったので暖かくなってくると嬉しい。

2008年2月29日 (金)

2008/02/29 小遠見山~黒沢尾根(途中敗退)ガイド

200802290193 最初は八ヶ岳に行く予定だったが、諸事情により行き先変更。遠見尾根の途中、小遠見山から鹿島槍スキー場に抜ける黒沢尾根に行ってきた。

予想通り雪が深くてスノーシューでの行動は厳しく、加えて暑さでヘロヘロになり、時間切れで日没になる可能性大だったのであえなく途中であきらめて引き返してしまった。残念無念。こういう時はスノーシューよりスキーで移動した方が楽だ。3月後半にリベンジすることになった。

写真は鹿島槍北壁。自分も若かりし頃、情熱を燃やしてここを登攀したものだが、鹿島槍ケ岳北峰からこの北壁のほぼど真ん中の「中央ルンゼ」をスキーで滑ったやつがいる。信じがたいことだ。

2008年2月22日 (金)

いにしえのスキー場

  20080222_1920080222_20

今日はお客さんを連れて遠見尾根~村尾根に行く予定だった。しかし気温が上がるという予報。一昨日まで雪が降っていて、昨日は晴れたが寒かった。そして今日は急に気温が上がるということは、雪崩に対する警戒を強めなくてはならないパターン。村尾根は一昨年の4月に雪崩による死亡事故が起きており、帰り道の林道もいつも八方尾根側から大きなデブリが出ている。一度47スキー場の駐車場に集合したが、行き先を変更してコルチナ裏に転進。

午前中は中土コース。北側の斜面は最高にいい感じのパウダーが残っていた。気持ち良かった~。そして午後は土倉コース。予報通り気温が上がり、雪が一気に緩んでスキーが滑らず、重ーいパウダー。午前中とは打って変わって快適さは全くなく、修行になってしまった。

土倉コースは途中で写真のように昔のゲレンデ跡を通る。かつてコルチナが営業していたらしいのだが、いつ営業を停止してしまったのだろうか。シングルリフトの搬器が昭和を感じさせてくれる。

2008年1月28日 (月)

2008/01/26~27 八ヶ岳・本沢温泉~硫黄岳ガイド

20080127_9 27日朝、本沢温泉を出発する時に玄関の温度計を見たら氷点下16℃だった。天候には恵まれたが、とにかく寒い2日間だった。本沢温泉も我々が到着した時点ではまだ暖房が焚かれてなくて、部屋の中は外の気温とたいして変わらず、温泉に入るまでは寒くてどうなることかと思った。

朝は超寒かったが、硫黄岳は風もほとんどなく、冬の八ヶ岳としては実に穏やかでちょっと拍子抜けした。当初天狗岳まで行く予定だったが、出発が遅かったことと慣れない雪山&寒さのためお客様の消耗が激しく、硫黄岳往復までとなった。

2007年12月23日 (日)

2007/12/21~22 北八ヶ岳ガイド

200712220132 当初、赤岳に登る予定だったが、お客様のコンディションにより急遽、縞枯山荘~雨池~麦草峠~五辻~ピラタスロープウェイのコースに変更。全てスノーシューで行動したが、雪山初心者にはとても最適なコースだ。こんな風景の中を歩けば、人生に疲れ気味の人でもきっと元気が出ることだろう。よく中高年の女性達が使う言葉「心の洗濯ができました。」ってやつ。

天ぷらのような樹氷のツリーがとても美しかった。いつ降ったのかわからないが、かなり湿った雪が降ったのだろう。

2007年12月17日 (月)

2007/12/15~16 忘年会山行

200712150273 忘年会山行ということで、今年は百名山の深田久弥が亡くなった場所で有名な山梨県の茅ケ岳に登った。すっかり葉を落とした雑木林が、抜けるような青空のもとで光り輝いていた。カサコソと落ち葉を踏みしめながら登る冬枯れの山は大好きである。頂上からよく見えるはずの南アルプスや八ヶ岳はすっかりと雪雲に覆われており、昼頃には我々がいる茅ケ岳でも雪が舞った。

下山後、清里の宴会場に移動。忘年会にふさわしく、朝起きた時には夕べ何を喋ったか、どういう行動をしたか全て忘れてしまってるほど飲んだ。

2007年11月26日 (月)

2007/11/23~25 立山バックカントリーガイド

200711230482 今年の立山は大当たり!天気、雪質とも申し分なく最高のコンディションだった。ただ、今シーズンの初滑りだったので滑りの感覚がなかなか取り戻せず、初日にいきなり深雪でお客様はけっこう苦労していた。泣きが入ってる人もいた。

条件が整ったせいもあるだろうが、ものすごい人。扇沢の駐車場は満車で、夏のお盆の頃のよう。立山もゲレンデ状態。ありとあらゆる斜面にトラックが入った。室堂の各宿はどこも満室で、キャンプ場も夏の最盛期並みのテントの数。猫も杓子も立山っていう感じで、ちょっと異常なくらい。これはただ一時だけのブームなのだろうか。それとも今後ますます流行っていくのだろうか。

年末ジャンボもこのぐらいの大当たりが来ないかなあ。

2007年11月 5日 (月)

2007/11/4 甲武信ケ岳ガイド

20071140252 黒戸尾根~甲斐駒のガイドは中止。その代わりに甲武信ケ岳のガイドに行ってきた。今回もauの「山と写真ガイド」の取材を兼ねた山行。

朝方の冷え込みが厳しかったが、好天に恵まれ、カラマツの黄葉が金色に光って美しかった。

今回は毛木平~甲武信~十文字峠~毛木平のコースを日帰りで行ったのだが、出発がちょっと遅くなってしまったため十文字峠から下る途中でとっぷりと日が暮れ、ヘッデンを点けての下山になってしまった。日が暮れると途端に獣の気配がし始め、林の中にライトを向けるとその光に反射した獣の目が2つ「きらーん」と光ったり、フクロウが木の枝にとまっていたりと普段とはまた違う山の姿にナイトハイク初体験のお客様はビビリながらも喜んでいた。それにしても日暮が早い。午後になるとせかされた気分になり、忙しない。取材も十文字峠から下はまともな写真が撮れなかったのでそこだけもう一度出直しかな。ランプが素敵で素朴な十文字小屋にただ泊りに行くだけというのもいいかも。