土曜日の午後、佐藤小屋入りし、お決まりの宴会。お客様は皆心得ていて装備表通り全員がちゃんとお酒を持ってきてくれたのでちゃんと飲み干し、さらに別パーティで参加していたお馴染みのお客さんからビールをいただき、最後は小屋の主人も参戦してワインをいただいた。最後の方は記憶にない。
当然翌朝は二日酔い。お客様も調子悪そう。起きたら既に他のパーティのお客さんは全員が出発していて小屋の中はガラーンとしていた。まともに朝食など食べられず、フラフラの状態で予定よりかなり遅く出発した。天気は申し分ないのだが、全く士気が上がらず、その時はとても頂上まで行けないと思った。
六合目を過ぎたあたりから雪が出始め、アイゼンを付けて登る。八合目付近から風が強くなり、雪面も硬くなってくる。息絶え絶えになりながらも14時になんとか頂上にたどり着いた。気温は間違いなく氷点下。ハイドレーションのチューブが凍り始めた。頂上からの滑走がこれまた大変で、カチカチのアイスバーンを半分横滑りしながら転倒滑落しないよう慎重に滑る。七合目付近から吉田大沢の中に入る。時々ガスって視界が悪くなったがそこからは快適な斜面。五合目駐車場近くまで滑って終了。無事今シーズンの滑り収めができた。
3日間とも天気に恵まれ、予定通り雪倉岳の頂上にも立つことができ、全員怪我もなく無事に下山できてホッとしている。このツアーは岩岳スキースクールとアトラストレックと自分のツアーとの共同企画・募集で、お客様が14名、ガイドが3名の計17名の他に、今回はスキージャーナルの取材陣2名も同行したので総勢19名の大部隊になった。2日目は朝5時に出発し、雪倉岳頂上着が13時半頃。そして滑走して瀬戸川の渡渉地点から再び登り返して蓮華温泉ロッヂに帰り着いたのが最終組で17時半。自分はその遅れた2名のお客様に付いての最終組だったので実に12時間に及ぶ長時間行動だった。登りも長かったが、下りも雪質的にとても滑るのが大変な雪でお客様はさぞかし大変だったと思う。そんな滑りにくい雪の中で「良い例の滑りを撮りたいのでミドルターンでお願いしまーす。」などと何回かカメラマンに言われて滑ったが、果たしてちゃんと演技できているのか怪しい。来冬シーズンのスキージャーナルに出るそうだ。