「忘年山行」ではなく「忘年会山行」。あえて「会」を入れるところに意義がある。いかに「忘年会」に重きを置いているかがおわかりであろう。
土曜日は清里のとあるコテージを借り、鍋と刺身と日本酒という忘年会3点セットで大いに盛り上がった。お客様がそれぞれ高級な日本酒を持ってきてくれたので、2升近くを実質3人工でたいらげたにもかかわらず、翌朝具合が悪い人は誰もおらず、ちゃーんと5時に起床、編笠山に向った。
とは言っても夕べの影響は多少なりともあり、テンションが上がらないまま出発。体は重く呼吸が苦しい。やたらとしんどい。途中から雪が現れ、山頂から北側はそれなりに雪深く、青年小屋近くは大岩がゴロゴロしててかなり厳しかった。でも軽い粉雪の中を歩くのは気持ちいい。軽い山行と思っていたが、結局9時間以上の行動時間になってしまい、かなり充実の1日だった。
当初谷川岳に行く予定だったが、寒気が入り冬型になりそうだったので谷川岳ではちょっとヤバいかなあということでお客さんと相談して日帰りでも行ける妙高山に急遽変更。土曜日の朝、白馬を出る時は雨がひどくて「あーあ、こりゃダメだな。」と完全にあきらめモードでやる気ゼロだったが、登山口に近づくにつれて雨が上がり、青空さえ見え始めたので急いで登山モードに切り替えて出発した。山は木々の葉が落ちてすっかり冬の佇まい。中途半端な季節の上、天気予報も悪かったので他に誰一人も登山者はいなかった。午前中は思いのほか天気が良かったが、14時頃から雨が降り始めたのであっさり引き返してきた。これが雨じゃなくて雪だったら逆に面白かったのだが。
開通するかしないかぎりぎりまで微妙だったが、間際になってどうにか開通した。しかし途中には大きなスノーブリッジがいくつも残っており、何箇所か大きく高巻いたりして緊張させられた。天気、紅葉は申し分なかった。
「飲んでも飲まれるな!」をモットーにしてきたが・・酒に飲まれてしまった。阿曽原小屋で久しぶりにやってしまった。日曜日の朝4時前に起床した時は二日酔いというよりまだ酔っていた。飲酒検問に引っかかったら間違いなく検挙されたであろう。とりあえず4時過ぎ、まだ真っ暗な中を出発したがフラついていて丸太の橋を渡るのが怖かった。そして時間と共にどんどん具合が悪くなり、夜が明けてしばらく経った頃が絶不調のピークであった。とてもガイドどころではなく、ヘリで救助してもらいたいと心底思った。しかし体の中にあった老廃物を下と上の両方から全て出したら急速に回復に向かい、頭痛だけは残ったが朝弁当を食べられるまでに復活、無事ガイド業務に就くことができた。「もう酒なんか見たくもない!」と心のかなり奥深くから思った。